青商の年歴 -第3期-


第3期

《1980年》

 4月27日 第3回定期総会を開催、新会長に許寧太氏を選出。

 5月 3日 第13回在日韓国人体育大会に参加、寄金を寄贈。

 7月 4日 「7・4南北共同声明」記念平和集会に参加。

 8月19日 東大門JC及び学生を日本に招待、学生の雄弁を披露。

 8月23日 在日韓国青年商工人連合会結成準備委員会を結成。

 8月25日 東京韓国学校教育者研修大会に10万円を寄贈。

 9月30日 東京商銀預金増強運動を展開、14億円を達成。

10月 6日 母国訪問団、東大門JCと姉妹結縁、最前線軍隊に1日入隊を体験。

10月23日 韓国演劇上演会に10万円を寄贈。

11月11日 1世商工人との懇談会を開催。

11月21日 第2回全国青年商工人連合会結成準備委員会を開催。

《1981年》

 2月20日 会員対象者に1,000人に入会案内とアンケート用紙を送付。

第3期会長 許 寧太郎

同胞社会の発展期として連帯を強化しよう


本日、韓国東京青年商工会議所第三回定期総会を駐日韓国大使館の李善虎参事官をはじめ、各界のご来賓、得に各KJC会長並びに各在日青年団体のご参席のもとに開催することが出来ました事は、当青年商工会議所の限りない栄誉と考えます。

本日の総会に会員総意のもとに、不肖、私が僭越ながら新執行部と共に会長に選出され、身に余る光栄と重大な責任を感じております。かえり見ますれば、二年前に在日韓国人青年の連帯と団結を旗印に結成された当青年商工会議所も、会員相互の厚い信頼の絆のもとに、その設立意義と目的に向って日々努力をしており、その成果も着実なる歩みを刻んでおります。

その間の活動を通じ、我々在日韓国人青年の抱く共通の理念と課題について問題を提起し、語り合い、そして解決の糸口を見出すべく努力を重ねております。なお、当会議所設立以来、二期二年にわたり、安秉元直前会長の本日までの苦労と指導に心から敬意と感謝を申し上げます。いうまでもなく、私達は歴史的背景のもとに生活の基盤はこの日本にあります。

地域社会問題について

まず第一に我々は、自由と民主主義に立脚した、この地域社会において義務を果たし、権利を求め、韓国人としての地位を確立しなければなりません。確かに、この日本の社会で我々は、意識のうえでの偏見とともに、社会的にも法的にも差別を受けています。この事をはっきりと認識した上で、未来に向かい、我々の存在と理解を求めていかなければなりません。

それは我々一人一人が韓国人としての自覚を誇りをもち、周囲から尊敬を受けられる様な人間にならなければなりません。我々は、歴史的、社会的、経済的及び精神的な特殊構造の中で、多くの悩める共通の課題を持ちながら、自己の体内に流れる民族的意識の血統を守り、民族の優秀性を継承し、若い同胞青年のややもすると弱点でもある社会的、精神的な分散性と日本社会への同化を防ぎ、民族意識の高揚を図りながらも、地域社会の一員として友好と相互理解にもとに地位を確立していかなければなりません。

在日青年の団結と青年商工人組織の全国化について

第二には、我々の地位の確立のために、我々在日韓国人青年の連帯と団結を強く訴えます。今日、この席にご参席のKLCをはじめ、青年会、青年経済人各団体が、この問題に向って多面的な交流と親睦を図る共に、同胞社会の政治の安定と福祉の向上をめざし、さらには、在日韓国人青年として豊かな人間性と、正しいモラルを追求、在日同胞社会の発展を期し、地域社会により多くの貢献ができる様、一人一人の資質の向上と能力の開発に努力し、民族の主体性を確立しようではありませんか。

まさに一九八〇年代の同胞社会は、一世から二世、三世への世代交代の年代であり、八十年代後半期には、この世代交代もやがて完了するでしょう。我々同胞青年は我々の一世が血と汗の結晶で築き上げた、有形無形の財産並びに多くの優れた文化的、精神的遺産を継承しなければなりません。

本国と在日国民との関係について

先に申しましたが、我々は歴史的背景のもとで、この地であらゆる努力を惜しまず生活しています。過ぎ去った歴史ではありますが、その間はおいて、互いに意思の疎通を欠き、理解の欠如がある事は、私たちが母国へ訪問するたびに感じられることであります。本国の政治、経済の動向は、私たち在外国民に大きな影響をもたらしていることは事実であります。

我々は地域社会に対する姿勢とともに、本国に対しても同じ様に理解と認識を求める様働きかけていきたいのであります。

当会員のあり方について

このような三つの問題をふまえて、当会議所の会員の皆さんは、激動する一九八〇年代を迎えた今日、在日韓国人青年として一人一人が、自分の立場を認識し、社会の指導者として、真剣に取組んでいただきたい。特に我々在日韓国人に欠如している相互信頼、相互扶助、地域社会への貢献、民族意識の独自性等については、今後、我々在日韓国人青年にとって、どれも不可欠の課題であり、同胞社会の未来にとっても、誠に重大な問題ではないでしょうか。

全国の同胞青年商工人の皆さん、そして当会議所の会員の皆さん、我々は今こそ、時代的情勢判断と使命感を強く認識し、互いに意見の交換を計り、お互いの共通する問題点について謙虚な態度をもって解決する方向で努力すれば、必ずや会員相互にとっても、さらには在日同胞社会にとっても、希望の持てる時代となると確信します。

最後に、各界の諸先生並びに諸先輩の皆様におかれましては、私達青年の将来に対し、心よりのご指導をお願い申し上げますと共に、この会議所の永遠なる発展を祈り、挨拶を終わります。

会長:許 寧太郎
1980年第3期組織(執行部並びに監事)
会長 許 寧太郎
直前会長 安 秉元
副会長 兪 在根
鄭 幸男
呉 昌煕
専務理事 金 徹道
監事 鄭 勝美
南 照男
崔 然睦
東京韓国青年商工会
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